「お盆に広島に帰省したら、お墓がなんだかカラフルでびっくりした!」
「え、お墓にあの竹と紙で作った派手な灯籠を飾るのって、広島だけだったの!?」
そんな驚きや疑問を感じたことがあるあなた、実はそれ、広島ならではの光景なんですよ。
お盆の時期になると、広島のお墓は他県ではまず見られないような、色鮮やかな灯籠で彩られます 。
でも、一体どうして広島ではこのような風習が根付いているのでしょうか?
そして、広島にはお盆の時期以外にも、ちょっとユニークな弔いの習慣があるってご存知でしたか?
今回は、そんな広島の奥深いお盆の風習と、それにまつわる「あるある」を徹底解説!これを読めば、広島のお盆の「なんで?」がスッキリ解決するかもしれませんよ。
お墓がカラフルに大変身!?広島ならではの「盆灯籠」の世界
広島のお盆を語る上で欠かせないのが、鮮やかな「盆灯籠(ぼんどうろう)」です。
初めて見る人は、その賑やかな見た目に驚くこと間違いなしの、広島の夏の風物詩についてご紹介します。
え、これがお墓?色とりどりの灯籠にびっくり!
お盆の時期、特に広島県西部(安芸地方)のお墓に足を運ぶと、赤、青、黄色など、カラフルな紙灯籠がたくさん立てられ、まるでお祭りのような賑わいを見せていることがあります 。
この光景は、他県から来た人にとっては「え、これがお墓なの!?」と目を丸くするほど珍しいものなんです 。
普段は静かなお墓が、この時期だけはパッと華やかになるのが、広島のお盆の大きな特徴です。
「盆灯籠」って何?その意味と由来
このカラフルな灯籠は「盆灯籠」と呼ばれ、故人の冥福を祈って墓前に立てられるものです 。
竹の棒の先に、色紙を貼った灯籠が取り付けられていて、風に揺れる様子はとても印象的です。
この風習は、特に広島の安芸地方に多い浄土真宗の信仰と深く結びついていると言われています 。
ご先祖様を賑やかにお迎えし、供養する気持ちが込められているんですね。
初盆は白が目印?地域で受け継がれる習わし
たくさん並ぶカラフルな盆灯籠の中にも、実はルールがあります。
その年に初めてお盆を迎える故人のためには、白い盆灯籠を立てるのが習わしなんです 。
親族や故人と親しかった人が、この白い初盆用の灯籠をたくさんお供えする光景もよく見られます。
色とりどりの灯籠の中に立つ白い灯籠は、故人を偲ぶ大切な目印となっているんですね。
県外の人は驚愕!広島の夏の風物詩
この盆灯籠の光景は、広島県民にとっては子供の頃から見慣れたお盆の風景ですが、県外の人にとっては本当に驚きの連続のようです 。
SNSなどでも「広島のお盆はすごい!」「こんなお墓は初めて見た!」といった声が上がることも。
まさに、広島の地域性が色濃く反映された、独特の夏の風物詩と言えるでしょう。
お盆以外にも?広島のちょっと気になる弔いの風習
広島には、お盆の盆灯籠以外にも、葬儀や法事に関して、他県ではあまり聞かないような独特の風習がいくつか残っています。
知っていると「へぇ~!」となる、そんな広島の弔いの文化を少しご紹介します。
香典返しは「茶の子」と呼びます
広島県の広い範囲(一部東部を除く)で、葬儀の際の香典返しの品物のことを「茶の子(ちゃのこ)」と呼ぶ習慣があります 。
もともとはお茶請けの菓子のことを指す言葉だったようですが、現在では香典返し全般を「茶の子」と言うのが一般的です 。
他県で「茶の子をお渡しします」と言っても、「え、お菓子?」と不思議に思われるかもしれませんね。
故人との最後の食事「立飯」って?
葬儀の前に、故人とごく近しい親族が共にする最後の食事のことを「立飯(たちは)」と呼ぶ風習があります 。
多くの場合、巻き寿司やいなり寿司といった、手軽につまめるものが用意されるようです 。
慌ただしい葬儀の準備の合間に、故人を偲びながら静かにいただくこの食事も、広島ならではの習慣の一つと言えるでしょう。
お焼香の時に小銭を置く?「焼香銭」の習慣
一部の地域では、葬儀や法事でお焼香をする際に、お焼香盆に10円から100円程度の小銭を置く「焼香銭(しょうこうせん)」という習慣が見られます 。
これは、昔お香が高価で、参列者が各自でお香を持参しなかった場合に、その代わりとしてお金を置いていた名残とされています 。
今ではあまり見られなくなったかもしれませんが、こうした習慣にも昔の暮らしぶりが偲ばれますね。
まとめ
広島の風習を未来へ繋ぐ
色鮮やかな盆灯籠や、茶の子、立飯といった独特の呼び名や習慣。
これらは一見すると不思議に思えるかもしれませんが、その一つ一つに、ご先祖様を大切にし、故人を偲ぶ広島の人々の温かい心が込められています。
ご先祖様を大切にする心が育んだ、広島独自の弔い文化
広島のお盆や葬儀に見られるこれらの風習は、この土地の歴史や宗教観、そして地域コミュニティのあり方を色濃く反映しています 。
他県とはちょっと違うかもしれませんが、それもまた広島の大切な文化の一つ。
これからも、こうした風習に込められた想いと共に、次の世代へと受け継がれていくといいですね。